人生の歯車をチューニングする: Iさんが「自分」になるまで

自分に自信が

あるあなたも
あまりないあなたも

こんにちは。

インタビュー前に食べたアーモンドが喉にとどまってインタビュー中むせ杉田です。

1週間お疲れさまでした!

 

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えーと、今回は、このブログの新企画、「クライアントさんインタビュー」をお届けします。

記念すべき第1回は、「自分に自信がない」と悩んでおられた、

「Iさん」 にインタビューさせていただきました!

(ご本人の許可をいただいて掲載しております)

 

 

杉田

悩んでいた頃の話をお聞きしたいんですが、当時はどんなことで悩んでいましたか?

 

Iさん

3個あったと思うんです。根本にあるのが、「自分に自信がなかったこと」ですね。その悩みは今も100%解決したわけではなくて、徐々に良くなっている感じです。自分の考えに自信が持てないことは、今でもたまにあったりします。
2つ目は、周りの人が当たり前にできていることがなんで自分にできないんだろうみたいな。
3つ目は、自分のやりたいことができていない感じがする。
主にその3つですかね。

 

杉田

そんなIさんが、私のところにたどり着くプロセスはどんな感じだったんですか?

 

Iさん

20代前半の時、アメリカにいて大学生だったんですけど、その頃から自分の悩みをずっとGoogleで検索してたんですよ。そしたら毎回杉田さんのブログにたどりつく(笑)。
当時、杉田さん、PDFでなんか配ってらっしゃいましたよね?

 

杉田

はい、配ってました。だいぶ昔の話ですね(笑)

ちなみに、PDFこんな表紙でした(笑)

 

Iさん

そう、僕には、あのPDFがすっごい刺さって、もう何回も何回も読み返しました。ただ実際にセラピー受けるのはハードルが高くて一歩が踏み出せなかったんですよ。
だからセラピーを受けに行ったのが2017年で、30歳になる手前ぐらいですかね。その時は、「もうどうしても行きたい!」っていう思いになったのでお邪魔しました。

 

杉田

セラピーを受けてみて、どうでしたか?

 

Iさん

正直な話、その時に何か変化を感じたとかはなかったんですね。あの時、たしか新聞紙を巻いて椅子を叩くっていうワークをして。で、目の前にお母さんがいると思って、自分の言いたいこと言うみたいなことをして。
でもその時、僕はピンときてなかったんですけど、気づいたらその後徐々に良くなっていった。なにか元気になっていったんです。

 

杉田

そう、心理セラピーって、クライアントさん、すぐに元気になる方もいらっしゃるけど、たいていはそういう感じで徐々に元気になっていくんですよ。心理セラピーは、「無意識」のほうに働きかけるように作られてますから

 

Iさん

ぶっちゃけ今振り返って思うと、セラピーを受けたことは、もちろん大きかったけど、実は受けに行くって決心した時から始まっていたんじゃないかっていう気がしていて、その一歩を踏み出すかどうかっていうのが大きかったんじゃないかと思うんです。
それで何が変わったのかというと、「徐々に勇気を持てる幅が広がっていった」みたいな感じでしょうか。

 

杉田

いい表現ですね、それ

 

Iさん

例えば細かいところでいきますと、僕バイクの免許を取ったんですね。そういうのも当時の自分は、まさか自分が取れるとは思いもしなかった。

 

杉田

えっ、バイクの免許が取れないと思ってたんですか?

 

Iさん

はい、何に対しても腰が重いというか、ちょっと鬱っぽいところがあったんで、何も行動を起こせない、しんどい、みたいな感じになってて。
でもセラピー後、「こうやりたい!」っていう気持ちがいろんな面で強くなっていったんです。 で、気づいたら、学校の先生もやってみましたし、そこから個人事業主やってみようってなって。
でも当時の20代の自分は、まさかそんなことできるとは思いもしなかったでしょうね。

 

杉田

今にして思うと、「自信がない」って何に自信がなかったんでしょう?

 

Iさん

たぶん自分の心の中で、「これしたい!」っていう思いがあるのに、それに耳を貸せないというか、それを信じきれないというか、周りの声を先に優先しちゃうみたいな。
当たり前のように周りの顔色を伺って生きてたんで、自分の感覚を優先するってことをしてこなかったんでしょうね。
でも今は結構NOと言えるようにもなれました。

 

杉田

それ、「自分の思いに耳を貸せるようになった」ってことですか?

 

Iさん

はい、あきらかにセラピー前と後で変わったのはあります。なぜかというと、僕、セラピーを受けた当時の職場では結構上司の言いなりで、あんまり自分の意見を言うことができなかったんですよ。上司も忙しいのに自分が質問しに行っちゃいけない、申し訳ないみたいな。

 

杉田

よく私のクライアントさんが言う悩みだ(笑)

 

Iさん

他人を優先しちゃう人ってそうですよね。で、セラピー後は、なんだろう、「自分も大事な事聞きに行ってるんだから、上司も時間をくれ」みたいな、ちょっと図々しい感じになれたというか(笑)、そういう変化が感じられた時がありました。

 

杉田

Iさん、その後のキャリアはどうなっていったんでしょうか?

 

Iさん

その職場を辞めて、その後もコロコロ仕事を変えました。でもその期間は、「人生の歯車をチューニングをしている感じ」でした。これ、僕の中でちょっと気に入ってる言葉なんですけど(笑)

 

杉田

ん、「人生の歯車のチューニング」とは?

 

Iさん

つまり、子供の頃は母親が、「将来は貧しい国の子供達のためになるようなことをして欲しい」みたいなこと言っていて、それが自分のしたいことだと勘違いしていたんですけど、ぜんぜん自分のしたいことじゃなかったと気づいたんです。でも現地行ってみたら、まあ子供達と触れ合うのが好きで 「あ、子供好きなんだな」っていうことがまずわかって。
で、塾のバイトとかもして、「あ、教える仕事好きなのかな」っていうことになって。
で、学校の先生やってみようってなって、「あ これ天職だわ!」と思ったんですけど やっぱり学校って組織なので学校の言うこと聞かないといけないというか、自分のやりたいことばっかり押し通せないんで 、「何かちょっと違うんだよな」みたいな。
で、怖いんですけど、いざ個人事業主を始めてみたら 「これだわ!」って思えたんですよね。

 

杉田

それが「人生の歯車のチューニング」ってことなんですね

 

Iさん

そうです。徐々にこう自分の歯車に合うものに合わせっていったというか。

杉田

それって、「自分の中の違和感に従った」みたいな感じですか?

Iさん

まさにです!

杉田

そういうプロセスも、やっぱり「徐々に」みたいな感じだったんでしょうか?

 

Iさん

はい、セラピー受けて半年も経たないうちにそういう大きな変化があったんですけど、そこから徐々に変わっていった感じですかね。

 

杉田

私も自分が心理セラピーを受けた時、その場ですぐに元気になったわけじゃないんですよ。よく分からなかったけど、気づいたら半年~1年後ぐらいの間に急激に元気になっていて、「何か不思議だな、これは」って思ったんですよね。
ところで、Iさん、ここまでお話してきたこと以外で、元気になるまでにやったこととかありましたか?

 

Iさん

「デへノード」、結構ガッツリ書いてたんですよ(笑)。でも気づいたらやらなくなっていました。つまり、何か満たされたんでしょうね。もう褒めてもらう必要ないみたいな感じでした。
あと、「自分がそんなにがむしゃらに頑張ってなくても、すごい喜ばれる」っていう体験がすごくあったんですよ。それは今でもあります。

 

杉田

「自分がそんなにがむしゃらに頑張ってなくても、すごい喜ばれる」って、具体的にはどういうことですか?

 

Iさん

教育、家庭教師をやってる時なんですけど、自分は生徒を楽しませたいから夢中になって準備してるんですよ。「やってあげてる」とかそういう感覚もなく、ただ「やりたいからやってる」んですけど、それを生徒がすっごく喜んでくれるんです。
で、今は特に家庭教師なんで親御さんとも結構連絡を取るんで 喜んでる生徒を見て親御さんが喜ばれるんで、ダブルで喜んでもらえるんです。これは最強ですね!

 

杉田

そういう時に喜びを感じますか?

Iさん

めちゃくちゃ感じますね!

杉田

ところで、今、Iさんが個人事業主としてやっておられる家庭教師って、どんなお仕事なんですか?

 

Iさん

ちょっと特殊な家庭教師なんですけど、インターナショナルスクールに通っている発達障害や不登校の生徒専門の家庭教師をやっています。
僕自身がインター卒で、インターの教員もしていましたし、ADHDの傾向もあるので、一番自分に合ったスタイルかなと思っています。

 

杉田

個人事業主としてやってみてどうでしたか?

 

Iさん

自営に移行して1年が経ったんですけど、最初は4名の生徒を担当していたんですね。
ホームページを立ち上げて、「さぁ、これからだ!」と思っていたら、生徒の1人は週2回教えていたのが週1になり、1人は1年後に海外移住することになり、1人は大学へ進学し、生徒が増えるどころか仕事が急に減るところからのスタートでした(笑)
でもとにかくやれることは何でもやろうと思って、チラシのポスティングをしたり、家庭教師登録サイトに片っ端から登録したり、バイクの後ろに宣伝用シール貼ったり、保護者のママ友に名刺配ったりしました。でもなかなか生徒の数が増えなくて、ホームページのGoogle検索結果も6,7ページ目ぐらいに出てきたりして、当時は焦りでまぁまぁ心に余裕が無かったなと思います(笑)

 

杉田

なかなか大変だったんですね(笑)

 

Iさん

そうなんですよ(笑) でも、8月の暮れなので、自営を始めて5カ月ぐらい過ぎた頃、初めてホームページ経由で指導依頼の連絡がきたんですよ!あの時はほんまに嬉しかったなぁ(笑)
そこから毎月1人は指導依頼があって、12月には初めて海外からの依頼もった、徐々に軌道に乗り始めました。おかげ様で生徒の数も13名まで増えて、夕方以降の枠が残り少ない状況にまでなりました。

 

杉田

それは素晴らしい!

 

Iさん

自営を始めた頃は、「不登校の子供の助けになりたい!」「オンラインはなんか苦手だから対面オンリーで!」「理数系メインで!」とか思ってたんですね。
でも蓋を開けてみたら、発達障害で学校の授業に苦労しているインター生が集まったり、関東からの依頼が急増して対面とオンラインの比率が逆転したり、「エッセイの書き方を教えて欲しい」っていう文系科目の依頼も増えたりして、自分が自営を始めた時に思い描いていたものと社会に求められるものは随分違ったなと感じています。
でも自分もインター出身で、WAIS-IVの検査結果で「ギフテッド及びADHDの可能性あり」と言われたので、自分の境遇には合っているのかな、と思います。

 

杉田

今までの人生がすべて活かせてるんですね

 

Iさん

そうですね。自分が進むべき方向も見えてきましたし、今年に入ってホームページにミッションステートメントを載せました。
「みんなと同じように授業が理解できないなんて、自分は何てダメな人間なんだ」

そんな悩みを抱える生徒が1人でも多く自信を取り戻せるよう、お手伝いしたいと思います。

 

杉田

それでは最後に、今の自分から悩んでいた頃の自分に何かメッセージを伝えられるとしたら、なんて伝えたいですか?

 

Iさん

いろいろありすぎて なんですけど うーん・・・ 「小さなものでいいから勇気を持ってみたら?」 かな。
例えば、僕が仮に引きこもってたとして、今日は5分だけ散歩に行けたみたいな。それはちゃんと褒めてあげたほうがいいなっていうことを凄く思います。やっぱり勇気の積み重ねがすごく大事。本当ちっちゃくていいから、それをバカにしちゃいけないなと思います。

 

杉田

いやぁ、めっちゃいい話だなー

 

 

【インタビュー後記】

Iさんが「人生の歯車をチューニング」をしながら一歩一歩進んで、まさに「それ、Iさんにしかできないだろ!」と叫びたくなるような仕事をたどり着いたことに感動しました。

やっぱり、「小さなものでいいから勇気を持つ」って大切なんだなぁ。

Iさん、今回インタビューを受けてくださり、本当にありがとうございました!

追伸:
インタビュー後、Iさん、やたらと私の髪形に興味津々で、「お手入れはどれくらいの頻度なんですか?」とか髪形トークで盛り上がりました(笑)。

もしかすると、Iさんも同じ髪型になる日がくるかもしれないとのことです(笑)。

 

それでは今回はココまでにします。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
また次回お会いしましょう!

 

杉田 隆史